福山日陽氏へのインタビュー
2023年5月6日(土)に行われる第45回記念ギター音楽大賞2021 in すいた 優勝記念『福山日陽ギターリサイタル』を直前に控えた、福山日陽氏にインタビューを行いました。
これまでのギター歴からリサイタルへの意気込みまでを熱く語っていただきましたので、ぜひじっくりとお読みください。
インタビュアー:こんにちは。本日はお忙しい中、お越しいただいてありがとうございます。このインタビューでは福山さんとギターとの出会い、そして今度行われる第45回記念ギター音楽大賞2021 in すいた 優勝記念『福山日陽ギターリサイタル』への想いなどを詳しくお聞きしますので、よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
ではまず、これまでのギター歴を教えてください。
はい。小学校2年生の時に、母がyoutubeで見ていたMiyaviやBzのギターがかっこよくて自分も弾きたいと言ったのが、ギターを習い始めるきっかけです。
最初はクラシックギターではなかったんですね。
そうなんです。
でも、まずは楽譜が読めるようになった方がいいからと親が近所のクラシックギター教室を探してきてくれて、それが宮下文夫先生の教室でした。
2年間習っている中で、5年生になったら谷辺先生に教えてもらうよう言われて、5年生からは谷辺昌央先生に師事しています。同じく5年生から大萩康司先生のレッスンも受けています。
谷辺先生のレッスンから、どのようなことを学びましたか?
技術、パルスなどの基礎的なことから、ホールで演奏する時のことなど実践的なことまでです。
詳しく聞かせてくださいますか。
はい。まず基礎は、カルカッシ教則本(溝淵浩五郎・編著)を2年かけて1ページ残らず習いました。
その後はカルカッシ25のエチュード・ソルのエチュードすべて・レニャーニ36のカプリス全曲は習いました。
それからカルレバーロ技巧教本No.1-No.4。ビスカルディ青本、サラーテ教則本、リズムの基礎、ハノンピアノ教本も使っています。いまレゴンディも順番に習っています。
ギターの基礎だけでなく音楽の基礎も全て網羅しているという感じですね。
そうですね。
さらに実践的なことについては、聴衆にとってどのように聞こえるかとか、ホールの残響によってスピードや表現を変えることなどです。
また、レッスン時はたくさんの音源を教えていただけるのでイメージを作りやすいです。
福山さんの音楽的な演奏は、谷辺先生から受けてきた指導が土台になっているんですね。では続いて、現代のギタリストの中で憧れている人や影響を受けた人はいますか?
初めて行ったクラシックギターのコンサートは、小学校3年生の時の大萩康司先生のコンサートでした。1つの楽器でこんなに多彩な表現ができるんだ!と感動しました。まるで絵画を見ているようで、今の自分もそんな演奏を目指しています。
そして、小学校5年生の時に聞いたガブリエル・ビアンコの演奏は、僕がプロになりたいと初めて思った演奏です。
静かな情熱とユーモアを感じました。
日々の練習で心掛けていることについても聞かせてください。
自宅での練習では、休日で練習時間が長くとれる時でも、自分の集中力がずっと続くわけではないので細切れで時間を使うようにして、能率を上げるようにしています。
また、録音録画練習は必ず行います。演奏を俯瞰できるので、課題が見つけやすいです。
確かに、集中力を維持することも、客観性を持つことも大切なことですね。
はい、ダラダラ練習するのは時間がもったいないですから。
ギターを弾いていて一番難しいと感じることは何ですか?
全ての声部を1人で処理しなければならないので、その弾き分けが難しいです。
他には、自分が表現しているつもりでも、聴衆には届きづらいのも難しいことのうちの一つです。
それは多くのギタリストが感じていることかもしれませんね。では、それを乗り越えるためにどのような練習をしていますか?
声部ごとに分けて練習し、それぞれを自分の中でクリアにするようにしています。
表現については、自分が考えているよりも少しオーバーに演奏するようにしています。やはり録音録画の練習が最適だと思います。
ありがとうございます。きっとその練習法は多くの人の参考になると思います。
話は変わりますが、今使っているギターは何ですか?
パコ・サンチャゴ・マリンです。
では、福山さんが好きな作曲家というと、誰ですか?
1番好きな作曲家は、ブラームスです(残念ながらギター曲はありませんが…)。
ギターの作曲家では、ポンセ、タンスマンなど近代の作曲家が好きです。ボグダノヴィチの民族音楽も好きです。
その中で、ポンセの作品は「第45回記念ギター音楽大賞2021 in すいた」でも自由曲として『主題、変奏と終曲』を演奏されていましたし、5月6日のリサイタルでも『ソナタ第3番』がプログラムに入っていますね。では、今回のリサイタル全体の聴きどころを教えてください。
バロック、現代、映画音楽と広範囲に渡ったプログラム構成です。また、静と動のコントラストもあるプログラムなので、飽きずに聴くことができると思います。
楽しみにしていますね。では最後に、今後の活動について教えてください。
高校卒業後、ドイツの音大進学を目指しています。クラシック音楽の本場の環境の中で暮らしてみたり、演奏を聴きに行ったり、自分も大きな舞台で演奏してみたいと思っています。自分の演奏で、聴いて下さる方のそれぞれの受け止め方があると思うけれど、それぞれの感じ方で心を揺さぶることができたらいいなと思います。
ドイツで研鑽を積んで、さらに大きく飛躍されることを期待しています。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました!
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